【コラム】世界に通じた韓国語の勝利

【コラム】世界に通じた韓国語の勝利

防弾少年団(BTS)がまたやった。公式発表前だが、ニューアルバム『MAP OF THE SOUL:7』で英米チャート同時席巻を予約した。米国ビルボード(Billboard)と英国オフィシャルチャート(Official Charts)同時1位は昨年の『MAP OF THE SOUL : PERSONA』に続き2回目だ。特にビルボードで2年以内に4連続アルバムチャート1位にランクインしたのはビートルズ以来初めて、大記録だ。当然ながら非英語圏では初めてだ。映画『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』)のアカデミー4冠に続くグッドニュースだ。

市場・ファンダムだけでなく、評壇の反応も熱い。英メディア「インディペンデント」と音楽専門紙「NME」、米国音楽雑誌「ローリング・ストーン」は星5つのうち4つの高い点数をつけた。「防弾少年団が成し遂げた成果を幻想的に圧縮したアルバム」(LAタイムズ)、「防弾少年団を好きであることが最高の選択であることを証明する」(NME)などの評価が続いている。防弾少年団が唯一受賞できなかったグラミーにまた一歩近づいたという評もある。大衆音楽評論家のランディ・ソは「主流市場でも批評的に賛辞を受けたアルバムになる」としながら「防弾少年団が発売したすべての音盤のうち、最もグラミー候補指名の可能性が高い」と評した。

ワールドスターとしての存在感は米国トークショーでも続いた。米国地上波テレビトークショーの「防弾オファー」は昨日今日ことでないが、興味深い変化が目についた。過去のようにリーダーRMが代表で英語インタビューを受け答えするのではなく、メンバーが韓国語で話すと英語字幕を付けた(NBC『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』、MTV Fresh Out、ビルボードのYouTubeチャネル)。防弾少年団なら字幕を読むことも厭わないという意味だ。米国視聴者の字幕嫌いはポン・ジュノ監督のゴールデングローブ受賞感想でも良く知られている。ポン監督は『パラサイト』で外国語映画賞を受賞しながら「1インチの障壁を越えればはるかに多くの映画に会うことができる。私たちは映画という同じ言語を使っている」と話して話題になった。

事実、アーミー(Army、防弾少年団ファンクラブ)の一員になるということは、防弾少年団の歌を通じて韓国語という慣れない言語を知ることであり、少数言語を駆使するマイノリティの経験を体得することだという話がある。『BTSとアーミーカルチャー』を書いたイ・ジヘン博士は「一世界市民として優れた文化的地位を逃したことのない人々が防弾の熱血ファンになった時、韓国語をよく分からずに体験する『易地思之』(相手の立場で考える)の瞬間は、世界の中で自身の位置と他文化を省察する機会を与える」と言う。このようにマイノリティの位置を体験してみることが、辺境からやってきた防弾少年団のマイノリティズムとアンダードッグ神話に熱狂させる秘訣ということだ。文化的多様性、多元主義を「クール」に受け入れる西欧ミレニアル世代の感受性も一役買っている。

海外アーミーは韓国語の歌詞を理解するために、韓国語を「ヨルゴン(一生懸命勉強)」するだけでは飽き足らず、ファンダムの中で自然発生的な言語体系を構築するところまで進んでいる。アーミー同士で使う「ア民正音(アーミー+訓民正音)」がそれだ(後述)。韓国的ニュアンスを生かすために、翻訳ではなく韓国語の発音を英語アルファベットに移して使う、一種の「オタク用言語」だ。たとえば韓国アイドルシステムの「ヨンスプセン(練習生)」は「trainee」ではなく「yeonseupseng」と書く。「noonchi(ヌンチ、顔色)」「sseomtada(ソムタダ、友達以上恋人未満)」「aegyo(エギョ、愛嬌)」のような単語もある。アイドルを含めて韓国人の社会生活に致命的な「ヌンチガオプタ」(空気が読めない)は「lack of noonchi」または「no noonchi」「ain’t got noonchi」と書く。ファンのためのア民正音入門書やYouTubeチャネルも人気だ。韓国の「kkondae(コンテ、頭の固い年寄り)」たちには意味不明でも、アーミーたちには耳慣れた新造語が多い。

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