米大統領選 大富豪のブルームバーグ氏に集中砲火 穏健派の受け皿で人気急上昇

引用元:産経新聞

 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選の民主党候補指名候補争いで、ブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)の支持率がここへきて急上昇し、他の同党候補からの攻撃が激しさを増してきている。ブルームバーグ氏は全米14州などで予備選・党員集会が一斉に実施される3月3日の「スーパーチューズデー」から本格参戦するが、他候補としてはそれまでに同氏の勢いを減殺しようと躍起になっている。

 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティックス」によると、ブルームバーグ氏の平均支持率(17日現在)は14・2%で、この3週間余で7ポイントも上昇した。ウォーレン上院議員やブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長を抜いて、サンダース上院議員23・6%、バイデン前副大統領19・2%に次ぐ3位につけている。

 ブルームバーグ氏の支持率上昇は、同じ中道穏健派のバイデン氏の支持率が低下したことに連動しているのが特徴だ。バイデン氏は、指名争い初戦のアイオワ州党員集会(3日)や第2戦のニューハンプシャー州予備選(11日)で精彩を欠いたことから、同氏に失望した穏健派の民主党支持者の受け皿としてブルームバーグ氏が浮上したとみられる。

 支持率上昇の決め手となったのは、億万長者としての絶大な資金力だ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ブルームバーグ氏は広告費だけで既に3億7千万ドル(約406億円)以上を注ぎ込むことで、全国的な知名度の拡大に成功した。

 これに対し、急進左派のサンダース氏は17日、西部カリフォルニア州での支持者集会で、ブルームバーグ氏が自らの財産を使って腐敗した政治システムを恣意(しい)的に使っていると非難し、「彼に大統領の座を買う権利はない」と訴えた。

 ブルームバーグ氏はまた、市長時代に「ストップ・アンド・フリスク」と呼ばれる警察官による不審者への街頭での職務質問や所持品検査を支持したとして、他候補からの批判を受けている。ストップ・アンド・フリスクは、黒人やヒスパニック(中南米系)を狙い撃ちする人種差別的な手法と指摘される。

 15日には米紙ワシントン・ポストが、同氏が1980~90年代に自身が経営する企業の女性社員にセクハラ発言をしたとして過去に訴えられたと報道。ブティジェッジ氏は「ブルームバーグ氏は説明すべきだ」と追及する構えを示した。

 さらに、17日にはブルームバーグ氏が2016年の講演で「農業従事者には情報化時代に適応できる知力がない」との趣旨の発言をしていたことが当時の映像で発覚。サンダース氏ら「労働者の味方」を標榜(ひょうぼう)する勢力にとって格好の攻撃材料となるのは確実だ。

 ブルームバーグ氏は1981年に大手情報サービス企業「ブルームバーグ」を創業。米誌フォーブスの長者番付によると、純資産は555億ドルで世界9位。トランプ氏は715位。

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