中国に友好的な文大統領、日本のマスコミ批判に即座に反論

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、「文大統領は元徴用工の損害賠償請求訴訟で弁護士として原告代理人を務めた経験があるため、徴用問題に関して『被害者中心主義』に固守している」という日本のメディアの報道に対して、「被害者中心主義は徴用訴訟代理人としての経験などとは無関係の国際社会の大原則だ」と反論した。新型コロナウイルス感染症に関して、中国に対し「中国の困難は我々の困難」と友好的なメッセージを主に出している文大統領だが、日本の特定メディアの報道には即座に反論するという対照的な姿勢を見せている。大統領が直接、外国メディアの報道に反応するメッセージを出したのも異例だ。

 日本の読売新聞は同日、「[日韓の現場]文大統領の実像」という企画シリーズの1回目の記事で、「韓国の対日外交は、文在寅大統領の個人的な性格や信条によるところが大きい」と書いた。そして、「2000年5月、元徴用工の起こした三菱重工業に対する侵害賠償請求訴訟で、釜山総合法律事務所の事務所代表だった文大統領が原告代理人を務めたことが、現在の文大統領が主張する被害者中心主義の背景になった」という趣旨で報道した。

 文大統領はこの報道内容の報告を受けた後、「(徴用被害者の弁護は)むしろ誇りに思っている」として、韓国政府の見解は個人的な判断ではなく、「国際社会の合意された原則」だと強調したと青瓦台関係者が伝えた。文大統領は「(日本のメディアが)訴訟代理人というフレームを当てはめることはできるが、国連人権委員会など国際社会の確立された原則が被害者中心主義だ」と述べた。青瓦台によると、2005年の国連総会決議で採択された「被害者権利基本原則」は国家間の友好のために個人の犠牲を強要してはならないと規定されているという。 しかし、日本は徴用被害者の「個人請求権」も1965年の韓日請求権協定に基づいて権利行使を制限するものと結論付ける立場を取っている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の2005年、この論争に対処するため設置された政府の「韓日会談文書公開後続対策関連民・官共同委員会」も「個人請求権は生きているが、韓日協定のために政府が再び日本に補償を要求することは困難である」という結論を出した。これを根拠に、政府は特別法を作って日本政府の代わりに徴用被害者補償に乗り出した。委員会には当時の青瓦台民情首席秘書官だった文大統領も出席していた。

 文大統領と青瓦台は「徴用被害者の同意が何よりも重要だ」として、これまで韓日の政界で提起された徴用判決解決のための「共同基金」設置など第3の代案作りに否定的な立場を取ってきた。文大統領は11日も「慰安婦合意も被害者中心主義に立脚しておらず、国民の同意を求められなかった。徴用(問題)解決法の模索も被害者の同意が最も大きな原則だ」と述べた。

 文大統領は7日、冨田浩司駐韓日本大使に「安倍晋三首相が『より頻繁に会える関係を作りたい』と言ったと聞いたが、私も同じ考えだ」と話した。昨年末、中国で安倍首相と首脳会談を行った後、韓日関係が最悪の危機を乗り越えたというのが外交関係者の間での評価だった。だが、文大統領が11日、自ら日本メディアの報道に反論するメッセージを出したことをめぐり、韓日関係の改善が再び後回しにされたのではないかという見方もある。特に政界では4月に総選挙を控えている今、青瓦台が「支持層結集用」に日本の問題に対して強硬対応カードを再び切る可能性があるとの見通しも出ている。申ガク秀(シン・ガクス)元駐日韓国大使は「日本企業の資産売却だけでなく、現在、条件付き延長状態にある軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了など、韓日関係の悪材料要素はまだ山積している。首脳間で合意点を見つけられなければ、今年上半期の韓日関係は最悪の局面を迎えるかもしれない」と語った。しかし、青瓦台関係者は「韓日関係を未来志向的に作ろうという考えには変わりはない」と言っている。

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